2024年Gmail新ガイドラインの対策

2024年2月より、GoogleはGmailの送信者ガイドラインを変更しました。
この変更は、メール配信の信頼性を確保することが目的で、SPFレコード、DKIM署名、DMARCを正しく設定することが重要となります
とくに日々大量のメールを送信する企業にとっては、これらの技術の理解と適切な設定が必須です。
本記事では新ガイドラインの基本から設定方法を解説していきます。

個人用アカウント対象の変更と対策

Gmailのメール送信者ガイドラインが更新され、2023年12月に「個人用Gmailアカウントのみ」を対象とするよう変更されました。
この変更は、メールアドレスが「@gmail.com」または「@googlemail.com」を使用する個人ユーザーに適用されます。

メール認証設定の重要性

2024年2月1日から施行された新Gmailガイドラインでは、SPFレコード、DKIM署名、DMARCメール認証の設定がますます重要になりました。
これらの認証技術が未設定の場合、メールが届かないリスクがあり、迅速な対応が推奨されます。

新ガイドライン対応には、以下の要件が含まれます:

  • 電子メール認証(SPF、DKIM、DMARCの設定)
  • メール購読の簡単な解除システムの導入
  • メール送信時のTLS接続に対応しているか
  • 迷惑メール率の0.3%以下にすること
  • 送信元アドレスに独自ドメインの使用

これらはメール送信の安全性と信頼性を高めるために設定されています。

日次メール送信量の定義と最適な設定

「1日5000件以上のメール送信」は、同一のプライマリドメインからの送信量を指し、サブドメインの送信も含まれます。
異なる送信元ドメインごとにカウントされるため、各ドメインに対してSPFレコードやDKIM署名の設定が必要です。
また、フリーメールアドレスを使った大量配信は推奨されず、より信頼性の高い独自ドメインの使用が勧められます。

メール認証技術の基礎: SPF、DKIM、DMARCについて

メール認証技術(SPFレコード、DKIM署名、DMARC)は、メールが正規のサーバーから送信されていることを保証する送信ドメイン認証技術です。

SPF設定: メール配信の信頼性を高める基本手順

SPF(Sender Policy Framework)は、送信元ドメインの正当性を確認するためのDNS設定であり、メールの信頼性を高め、迷惑メールフォルダへの振り分けを防ぐ効果があります。この設定により、受信サーバーはメールが正規のサーバーから送信されたことを認識し、偽装されたメールを識別することが可能になります。

SPFレコードの設定手順

SPFレコードの設定は、使用しているメール配信システムの提供者からSPFレコード情報を取得し、その情報を自社ドメインの管理画面に記入することで行います。
ドメイン管理を外部に委託している場合は、その委託先にSPFレコードの設定を依頼します。

  • メール配信システムの提供者からSPFレコード情報を入手する。
  • 自社ドメインの管理画面に入り、DNS設定に追加をする。
  • ドメイン管理を外部に委託している場合は、委託先に設定を依頼する。

(弊社の場合は、こちらから設定のご案内を出してます。)

DKIM署名の仕組み

DKIM署名は、メールの信頼性を高めるための技術です。送信側のメールサーバーがメールに秘密鍵で電子署名を施し、受信側サーバーがこの署名をDNSを介して検証します。メールの改ざんがないことが確認されると、公開鍵を用いて署名が解除され、メールが受信者の受信箱に届けられます。

  • 送信側のメールサーバーがメールに秘密鍵で電子署名を施す。
  • 受信側サーバーがDNSを介してこの署名を検証する。
  • 署名が正しいことが確認されると、公開鍵を使って署名が解除され、メールが受信者の受信箱に届けられる。

DKIM署名のタイプ

DKIM署名には、「第三者署名」と「作成者署名」の二つのタイプがあります。第三者署名は送信者のドメインとは異なるドメインで生成され、一般的にメール配信システムによって用いられます。これは、どのドメインのメールサーバから送信されたかを示します。作成者署名は送信者のドメインで生成され、Fromアドレスと同じドメインの署名によって高い信頼性を証明します。

  • メール配信システムからドメインキー(または秘密鍵)を取得する。
  • 取得したキーをドメインの管理画面で設定する。
  • ドメイン管理が外部委託されている場合は、業者に設定を依頼する。

SPFとDKIMの違い

SPFレコードとDKIM署名はどちらもメールの信頼性を高め、迷惑メールフィルターにかかるのを防ぐ目的で使用されますが、認証の方法に違いがあります。
SPFは送信元のIPアドレスに基づいてメールを認証します。
一方、DKIMはメールに電子署名を付けて認証を行います。これにより、SPFとDKIMは異なるアプローチでメールの正当性を証明します。

DMARCの重要性

DMARCは、認証技術の一環として、SPFレコードやDKIM署名による認証が失敗した場合のメール処理方法を定義します。
これにより、認証されたメールのみが配信され、迷惑メールの送信を防止し、メールの信頼性と配信率を向上させることができます。
適切なDMARCの設定は、メールが正確に受信者のもとに届くことを保証する上で不可欠です。

DMARC設定の手順

自社ドメインの管理画面でDMARC設定を行います。DMARCレコードには「none(何もしない)」、「quarantine(隔離)」、「reject(拒否)」の3つのポリシーがあります。
初期設定としては「none」が推奨されます。弊社の場合、こちらから設定のご案内を出してます。

まとめ

この記事を通じて、2024年2月より施行されたGmailガイドラインへの適応と、SPFレコード、DKIM署名、DMARCの重要性について紹介してきました。
これらの認証技術を正しく設定することで、メール配信の信頼性を高め、迷惑メールとみなされるリスクを減らすことが可能です。

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