ECサイトの運営において、顧客が求める利便性を高めるためには、決済方法の多様化が欠かせません。
消費者の購買行動や支払い方法の好みが多様化しており、ECカートでの決済オプションを増やすことは、サイトの魅力を高め、転換率を向上させる重要な戦略となっています。
そこでこの記事では、提供すべき主要な決済方法とそのメリット、決済方法の選定における課題と解決策、決済方法の多様性がECサイトの転換率に与える影響について解説していきます。
ECサイトの運営者が直面するこれらの課題を理解し、運営の効率化と顧客満足度の向上、そして売上の増加を目指しましょう。

主要な決済方法とそのメリット

ECサイト運営での成功は、顧客が求める決済方法を提供することが重要です。

主要な決済方法には、クレジットカード決済、銀行振込、代金引換などがたくさんあり、

それぞれの決済方法に独自のメリットとデメリットがあります。

ここではECサイトでよく使われる決済方法のメリットとデメリットについて解説します。

1.ID決済

ID決済にはECモール系の「Amazon Pay」「楽天ペイ(オンライン決済)」、通信会社系の「PayPay」「d払い」「au PAY」、その他には「LINE PAY」「Apple Pay」「メルペイ」などがあります。スマホからカード情報を入力しなくても手軽に決済することが可能です。決済の後回しによるカート離脱を防ぐことができることも特徴の一つです。

 

▼お客様側のメリット・デメリット

メリット

スマホで簡単に支払いが可能

クレジットカードを持っていない人でも利用可能

ポイント還元やキャンペーンによる割引が多い

デメリット

利用できる店舗やECサイトが限られている場合がある

定期の商品の支払いには使用できない場合がある

▼ECサイト運営者側のメリット・デメリット

メリット

若年層やクレジットカードを持たない顧客層を獲得可能

クレジットカード番号の入力不要なので入力フォームでのカゴ落ちを防ぐことができる

デメリット

導入にあたっての初期費用や手数料がかかる場合がある

決済サービスごとに異なる手数料や契約条件を理解し管理する必要がある

導入する際にシステム改修が必要な場合がある

2.クレジットカード決済

顧客がクレジットカード情報を用いてオンラインで直接支払う方法。
最も一般的で利便性が高い決済オプションです。

▼お客様側のメリット・デメリット

メリット

手数料がかからない(支払回数による)

ポイントが貯まる

デメリット

年会費がかかるカードがある

過剰利用のリスクがある

▼EC運営者側のメリット・デメリット

メリット

即時決済でキャッシュフローが改善される

幅広い顧客層に対応可能

デメリット

決済手数料の負担

不正利用によるチャージバック発生のリスクがある

3.コンビニ決済

ECサイトで商品を購入後、お客さまのもとに支払情報が記された「払込票」が届くか、ウェブで表示される「払込用番号」が提供されます。

「払込票」か「払込用番号」をコンビニに持ち込み現金や電子マネーで支払う方法。

クレジットカードがない人にも利用できるのが特徴です。

 

▼お客様側のメリット・デメリット

メリット

クレジットカード不要でクレジットカード情報を入力が不要

近くのコンビニで手軽に支払いが可能

24時間支払いが可能

デメリット

支払いのためにコンビニに行く必要がある

支払い期限を過ぎると決済がキャンセルされる場合がある

近所のコンビニが支払い可能店舗の対象外の可能性がある

手数料がかかる

▼ECサイト運営者側のメリット・デメリット

メリット

未成年などクレジットカードを持たない顧客層を獲得可能

代金支払いの確認後に商品発送するため代金未回収のリスクが低い

デメリット

払い込みの遅延・忘れによってキャンセルの可能性がある

手数料がかかる

4.キャリア決済

携帯電話の料金と一緒に商品代金を支払う方法。特に若年層に人気の決済方法です。
 

▼お客様側のメリット・デメリット

メリット

携帯電話料金と一緒に支払えるため、手続きが簡単

クレジットカードがなくても利用できる。

デメリット

利用できる金額に制限がある(基本的に1〜5万円程度)

キャリアによって使用できない場合がある

▼ECサイト運営者側のメリット・デメリット

メリット

若年層やクレジットカードを持たない顧客層が利用できる

デメリット

キャリアによっては対応が複雑になる場合がある

クレジットカード決済と比べると手数料が高い

5.代金引換

商品到着時に配達員に直接支払う方法。

お客様側が商品を確認してから支払うことができる決済方法になります。

 

▼お客様側のメリット・デメリット

メリット

商品を受け取ってから支払える安心感。

デメリット

手数料がかかる

▼ECサイト運営者側のメリット・デメリット

メリット

代金未回収リスクが低い

顧客が安心して購入できる環境を提供できる

デメリット

手数料が高い

受取拒否によるリスク

6.後払い決済

ECサイトで商品を購入して受け取った後に支払いを行う方法。

商品を確認してから安心して支払えます。

 

▼お客様側のメリット・デメリット

メリット

商品を確認後に支払える

デメリット

支払い忘れのリスクがある

支払い場所に行かなければいけない

▼ECサイト運営者側のメリット・デメリット

メリット

顧客満足度の向上

クレジットカードが不要なため簡単に決済できかご落ち防止に繋がる

デメリット

代金回収までの時間が長くなる

決済代行会社への手数料負担

7.銀行振込

顧客が銀行口座から直接、ECサイト運営者の指定口座に振り込む方法。

安全性が高く信頼されているのが特徴です。

 

▼お客様側のメリット・デメリット

メリット

直接口座から支払いができるため、セキュリティが高い

デメリット

金融機関によっては振込手数料がかかる

振込確認後に商品が発送されため商品到着が遅れる可能性がある

▼ECサイト運営者側のメリット・デメリット

メリット

代金未回収リスクがない

信頼性の高い決済方法として顧客に提供できる

デメリット

入金確認作業に手間がかかる

これらの決済方法をECサイトに導入することで、顧客の利便性を高めるとともに、さまざまな顧客層を取り込むことが可能になります。

決済方法の多様化は、顧客の選択肢を広げ、ECサイトの利用を促進するためには不可欠になってきています。

カート選定が重要!決済方法を決める際に知っておきたいポイント

ECサイト運営において、決済方法の選定は重要な戦略の一つですが、多様な顧客ニーズに応えるための最適な決済オプションを選ぶことは容易ではありません。
また、決済方法には利用するカートに大きく依存するためEC運営者はカートの選定する段階から考慮する必要があります。
ECサイト構築時におけるカート選定の重要性や事前に考慮しておくべきポイントについて解説していきます。

 

①各カートで使用できる決済方法を調べる

主要な支払い方法は各カートで使用できますが、特殊な支払い方法や導入したい支払い方法が既に決まっている場合は、カートがその支払い方法に対応しているか事前に確認する必要があります。運営側がこの確認を怠りカート選定を間違えると後になってから予期せぬ運用上の問題に直面することがあるので注意が必要です。

 

 

決済名称 サービス名 Makeshop futureshop COLOR ME Shopify ショップサーブ
クレジットカード決済 VISA/MASTER/DINERS/JCB/AMEX
スマートフォン
キャリア決済
ソフトバンクまとめて支払い
auかんたん決済
ドコモケータイ払い
コンビニ決済
(前払い)
セブンイレブン/ファミリーマート/
ローソン
ミニストップ
デイリーヤマザキ
ポプラ
オンライン決済 Amazon Pay
楽天ペイ
LINE Pay
PayPay
あと払い GMO後払い
NP後払い
paydy
銀行振込
代金引き換え

 
②定期購入サービスの有無
定期購入サービスを提供することで顧客のリピート率を高め、安定した収益を見込むことができますが、そのためには対応した決済システムとカートが必要です。
そのため定期購入サービスの有無はカート選定時の重要な検討事項となります。
 

③既存のカートシステムを利用
ECサイトの構築においては、スクラッチ開発、つまりゼロからのシステム構築は行う手法は避けることをおすすめします。
スクラッチ開発はコストと時間がかかるだけでなく、セキュリティや将来のアップデートなど対応する必要があり運営する中で予期せぬ問題に直面するリスクがあります。
既存のカートシステムを利用することで、これらのリスクを回避でき、クラウド系のサービスならベンダー側で拡充してくれる可能性もあるためスムーズなサイト運営を実現できます。
 

④各決済方法の手数料
決済方法によっては、高額な手数料が発生することがあります。
小規模なECサイトを運営している場合は大きな負担となることも。
コスト削減のためには、複数の決済サービスを比較検討し、最もコストパフォーマンスの高いサービスを選択することが解決策となります。
 
⑤導入のしやすさ
決済システムの導入は、技術的な知識を要することが多く、特に中小規模のECサイトの運営者にとっては大きなハードルとなります。この課題に対処するためには、導入が容易で、サポート体制が整っている決済サービスを選ぶことが重要です。
 
⑥顧客の利便性
顧客が好む決済方法が提供されていない場合、購買意欲の低下につながります。
顧客の好みやニーズを把握するためには、市場調査や顧客アンケートを実施し、データに基づいた決済オプションの選定を行うことが解決策です。
 

決済方法の選定には、ECカートの選定も大きく関わります。
最適なECカートと決済方法の選定は顧客満足度を高め、ECサイトの成功につなげることができます。他にもコストの最適化、導入のしやすさ、顧客の利便性を考慮した決済方法の選定は、ECサイト運営の重要な要素です。
ECカートと決済方法の選定はECサイトを運営していく中で土台となる重要な部分なので
プロに任せることもおすすめです。
ベイクロスマーケティングではECサイトの構築やEC運営のサポートを行っております。構築や運営でお困りの際は気軽にお問い合わせください。

決済方法の多様性がECサイトの転換率に影響を与える!?

ECサイトにおける転換率の向上は、運営者にとって永遠の課題です。決済方法の多様性は、この課題を解決するカギの一つとなり得ます。顧客が好みや利用状況に応じて選べる決済オプションが豊富にあることは、購買体験の向上に直結し、結果として転換率の向上につながります。

 

この記事を読んでいるあなたは、ECサイトの売上を伸ばすために重要な売上の方程式をご存知でしょうか?

 

売上の方程式

売上=アクセス数×転換率×客単価×リピート率

 

売上を上げるためには各要素が重要ですが、転換率が低いとせっかく広告などで集めたアクセス数が売上につながりません。そのため、転換率を上げるためにも決済方法の充実はECサイト運営していくうえで重要です。

 

転換率に与える影響

①顧客満足度の向上

顧客が好む決済方法を選択できることで、満足度が高まります。満足度の高い顧客はリピーターとなりやすく、長期的な顧客価値の向上につながります。そのため運営側は顧客のニーズをしっかり把握し応えることが重要です。

 

②カート放棄率の低下

決済方法が限られていると、支払い方法の選択で購入を断念するケースが増えます。例えば、セキュリティの面で初回購入はクレジットカード決済を使用しない顧客の場合にクレジットカード決済のみだとここで離脱してしまいます。多様な決済オプションを提供することで、カート放棄率を低下させることができます。

 

③新規顧客の獲得

特定の決済方法を好む潜在顧客層が存在します。例えば、電子マネーや仮想通貨などの新しい決済方法を導入することで、これまでECサイトを利用していなかった新規顧客を獲得することが可能です。

 

④国際市場への対応

海外からの顧客をターゲットにする場合、地域によって好まれる決済方法は異なります。多様な決済オプションを提供することで、グローバルな視点でのECサイトの運営を強化することにも繋がります。

 

このことから、決済方法の多様性は、ECサイトの転換率を向上させる重要な要素になり得ます。顧客のニーズに応える決済オプションを提供することで、顧客満足度の向上、カート放棄率の低下、新規顧客の獲得、国際市場への対応といった複数の利点が得られます。ECサイト運営者は、決済方法の選定と導入において、これらのポイントを考慮することが成功へのカギとなります。運営の効率化と市場拡大のためにも、運営チームはこれらの要素を適切に管理し、運営戦略に組み込む必要があります。

 

まとめ

この記事を通じて、ECサイトの主要な決済方法とそのメリット、決済方法の選定における課題と解決策、さらには決済方法の多様性がECサイトの転換率に与える影響について詳しく解説しました。

 

ECサイトを運営していくうえで決済オプションの多様化は、顧客にとっての選択肢を広げるだけでなく、ECサイトの魅力を高め、競争力を強化することにも繋がります。
また決済方法の選定には、ECカートの選定も大きく関わります。
ECカートと決済方法の選定はECサイトを運営していくうえで重要な部分となるので慎重に進める必要があります。

 

ベイクロスマーケティングでは、各カートにおける初期の構築や運用代行を行っており、ECサイト運営の効率化をサポートしています。導入する決済方法に迷った際や、運営上の課題に直面した場合は是非お問い合わせください。

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