ひとくちにECサイトリニューアルといっても、一部だけの軽微な改修からフルリニューアルまで、その規模は様々です。
デザインも含めたリニューアルには時間もコストもかかるため、必要性を感じていながらも、つい二の足を踏んでしまうという方も多いのではないでしょうか。
しかし、ECサイトリニューアル=見た目のデザインを変更することだけではありません。
回遊導線や商品情報の見せ方、カートの機能を変更するのもリニューアルのひとつです。
なかでも比較的着手しやすく効果が期待できるのが「回遊導線の見直し」です。
テキストリンクやバナーを貼ってECサイト内での遷移をしやすくするだけで、離脱防止やクロスセル・アップセル、SEO対策としての効果も期待できます。
そこで今回は、回遊導線の見直し前に確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。
ポイント1: 自社ECサイトのユーザー属性を把握する
ECサイトで重要なのが商品(情報)の探しやすさです。
ほとんどのユーザーは、何か目的の商品・情報があってECサイトを訪れます。
その目的のページになかなか辿り着けない場合、ユーザーの離脱、ひいてはサイトの低評価につながってしまいます。
離脱を防ぐためのカギは「サイト内回遊導線」にあります。
そこで把握しておきたいのが、男女比や新規/リピーターの割合、年齢層などのユーザー属性です。
新規ユーザーとリピーターを例に、サイト内導線の貼り方を考えてみましょう。
ECサイト訪問の目的
【新規ユーザー】商品購入だけでなく、情報収集を目的とした潜在層も多い
【 リピーター 】前回購入した商品のリピート購入や、関連商品の購入がメイン
サイト内回遊導線を貼る際の留意事項
【 新規ユーザーの場合 】
・半数以上のユーザーが購入するような人気商品がある場合は、その商品を中心に導線を設置する
・偏りなく様々な商品が購入されている場合は、商品をカテゴライズする、フリーワード検索機能を充実させるなど、初めて訪れた人でも目的の商品がすぐに見つけられるよう工夫する
・一度の訪問で転換につなげられるようしっかり情報を見せる
・競合と比較・検討しているユーザーも多いため、他商品や多店舗との違い(優位性)を分かりやすく説明する
【 リピーターの場合 】
・リピート商材であれば、再購入ボタンやお気に入りボタンの設置、定期購入の導入、最近見た商品リストの表示など、リピーターが再購入しやすいよう導線を設置する
・リピート商材以外の場合は、親和性の高い商品を一緒に紹介することでクロスセルやアップセルを促進する
・新商品やセール商品など、特定の商品を購入しにきたユーザーに新たな気づきを与えるような工夫を行う
・購入履歴やマイページへの導線も目立つ位置に設置する
ポイント2: ECサイト内でのユーザーの行動を理解する
ECサイト内でユーザーがどのような行動をしているのかというのも回遊導線の貼り方を決めるうえで欠かせない材料です。
ユーザーの動きはGoogleAnalyticsの「行動>行動フロー」で確認することができます。
アクセス数の多いページやランディング数の多いページを中心に、その後のECサイト内での動きを分析してみてください。
ユーザーの行動を分析することで、ユーザビリティを高めるための回遊導線の貼り方が見えてきます。
行動フローに基づいてサイト内導線を設置していきましょう。
ただ、サイト内導線は多ければ多いほどいいというわけではなく、多すぎるとかえってユーザーを迷わせる原因となります。
ECサイトの階層を意識しながら、ユーザーにとって分かりやすい導線を心がけてください。
ポイント3: ユーザーの離脱ポイントを把握する
ページごとに離脱率を確認し、ユーザーの離脱ポイントを把握しておくことも大切です。
広告のランディングページ(LP)は、確度の低いユーザーも流入してくるため離脱率は高くなりやすい傾向にあります。
しかし、その他のページにおいて離脱率が高い場合には、ユーザーの求めている情報とのアンマッチが起きている可能性があります。
この場合、アンカーリンクのテキストやバナーデザイン、回遊導線の貼り方などの見直しが必要です。
ページごとの離脱率はGoogle Analyticsなどの分析ツールで確認できます。
ユーザー属性やランディングページとの掛け合わせで分析し、ターゲットごとの離脱ポイントを知ることも、回遊導線見直しのポイントとなります。
まとめ
ECサイトリニューアルによって回遊導線の見直しを行うには、まずベースとして下記3つのポイントを押さえておく必要があります。
- 1.自社ECサイトのユーザー属性を把握する
- 2.ECサイト内でのユーザーの行動を理解する
- 3.ユーザーの離脱ポイントを把握する
リニューアルというとコストも手間もかかる大がかりなものをイメージしてしまいがちですが、回遊導線の改善もリニューアル手法のひとつです。
軽微なリニューアルの場合、リニューアル前後の変化が分かりやすく効果測定をしやすいというメリットがあります。
あらかじめKPIを設定し、リニューアルによってどのような効果があったのか、しっかり検証を行うことが大切です。
ECサイトリニューアルは、デザインを変更したら終了というわけではありません。
PDCAサイクルを回しながら、より良いECサイトを目指しましょう。
Written by Aida