ヤフー株式会社によって、2019年10月17日よりサービスが開始されたPayPayモール。
Yahoo!ショッピングの上位モールの立ち位置ですので、ECサイト運用担当者であれば要チェックです。

今回は、PayPayモールについて

・参入することで、どんなメリットがあるのか
・出店条件や手数料
・Yahoo!ショッピングとの違い

上記について説明します。

PayPayモールの特徴

PayPayモール出店のメリットは3つあります。

◆Yahoo!の集客力を利用できる

◆PayPayの大型企画に参加できる

◆企業ブランディングを高める効果

PayPayモールは「ネットショッピングで感じるストレスを限りなくゼロにする」という目標を掲げています。そのため、厳しい出店条件があったり、利用者が満足するような大型セールを定期的に行っています。

ポイント還元については、Yahoo!ショッピングでポイントが貯められたTポイントに加えて、オンライン決済ツールのPayPayを使用することで還元率も高くなります。

しかし、PayPayモールに出店するためには条件があります。

出店企業は厳選されている

PayPayモールに出店するための条件(2020年6月時点)

1〜4いずれかの条件を満たし、かつその他出品・出店基準に該当する出店者に限り、出店が可能

1. Yahoo!ショッピングベストストアアワード受賞歴があり、
   かつ、過去約90日間において80%以上の期間、「優良店」であること

2.Yahoo!ショッピング経由での年間流通1.2億円(税込)以上、

  かつ、過去約90日間において80%以上の期間、「優良店」であること

3. 上場企業または上場グループに属する企業であること

4. (グループを含む)企業年商 100億円以上

   (「家電」カテゴリ 500億円以上、「食品」カテゴリ30億円以上)であること

上記のように、厳しい出店条件が定められています。PayPayモール=プレミアムプランと呼ぶだけのことはありますね。

PayPayモールはあくまでも「Yahoo!ショッピングのオプションプラン」なので、Yahoo!ショッピングでの開店審査後に申し込むことができます。

こんな企業にPayPayモールはオススメ

 

PayPayモールに出店をオススメしたい企業は、以下の通りです。

・複数のECサイト運用をして、商品の露出を増やしたい企業
 
・Yahoo!(PayPay)の大型キャンペーンに参加できる体力のある企業

PayPayモールの出店条件をクリアできるのは、最重要ポイントとしてあげられますが、他のECサイト運用の実績がある企業にもオススメしたいです。

この先、ECでの売り上げ割合は増加する一方です。企業の露出を増やすという意味でも、複数のECサイト運用において重要な課題となるでしょう。

Yahoo!ショッピングは利用するが、楽天市場は利用しない(またはその逆)のユーザーもいるため、複数のECサイト運用はそういった多種多様なユーザーニーズを満たすための必要な施策といえます。

PayPayモール出店のメリット

 

PayPayモールに出店するメリットは、大きく分けると以下の3つとなります。

・Yahoo!の集客力を利用できる
 
・PayPayの大型企画に参加できる
 
・企業ブランディングを高める効果

 

それぞれ解説していきます。

Yahoo!の集客力を利用できる

PayPayモールに出店するということは、通常のYahoo!ショッピング利用者に加えて、PayPayユーザーも囲い込むことができます。

2020年2月の公式サイトの数字としては、


Yahoo!ジャパン利用者(Yahoo!ショッピング・Yahoo!検索など)が月間で6,743万人


PayPay登録者(美容院、ファッション、飲食店などのリアル店舗にて利用)が総計2,400万人

という驚異のユーザー数です。

自社のECサイト運用だけではなく、こうした大型モールの集客力を利用することで、売り上げを伸ばすことが可能です。

PayPay利用者の影響力も、今後さらに高まっていくでしょう。

2018年12月のPayPay登録者は「100万人」で、この時点でも十分多いのですが、1年2ヶ月たらずで「2500万人」まで増加しました。PayPay加盟店数は194万箇所以上となり、利便性も高まっています。

ちなみに、楽天市場の月間利用者数は約「5,000万人」、出店数は約「5万店舗」となっています。

 

PayPayの大型企画に参加できる

PayPayがここまでユーザー数を獲得できた要因の1つとして「大型キャンペーンの開催」があげられます。

サービス開始当初の「100億円あげちゃうキャンペーン」は衝撃的なものでした。第2弾も好評だったので、今後も大型キャンペーンは開催が期待されます。

そのほかにも、PayPay残高での支払いを条件とした「10〜40%還元キャンペーン」は定期的に行われています。2020年4月からは、ソフトバンクユーザーは日曜なら+10%還元上限1,000円/日もあります。

こういったキャンペーン開催中には、PayPayモールでの利用率も高くなるので、このタイミングを狙って店舗側でもキャンペーン施策や商品ページの拡充を行っておくと良いでしょう。

独自にECサイトを運用する場合では検索流入へ頼る比率が大きくなりますが、こうした大型ECモールでは集客面で非常に優れているので攻めておきたいです。

企業ブランディングを高める効果がある

3つ目のメリットとしては、ブランド力に関する内容です。

PayPayモールはプレミアム性を高めたECモールであり、参加条件も厳しいという珍しさもあります。

この理由としては、Yahoo!ショッピングでの出店数が90万店舗数ほどいることが関係しています。これだけの店舗数ですと、ユーザー側もどの店舗で購入するか迷ってしまいます。また、店舗側においても、Yahoo!ショッピングは月額費用のかからないモールで運営ハードルも低いため、今後も出店企業は増加していくでしょう。

一方で、PayPayモールでの出店数は開設当初(2019年10月)は600店舗と、かなり少ないです。

現在の正式な出店数は不明ですが、Yahoo!ショッピングや楽天市場(約5万店舗)と比較すれば間違いなく店舗数は厳選されています。

しかも、PayPayモールで出店している商品は、Yahoo!ショッピングの検索にも反映されるので安心です。

PayPayモールは「公式」や「ユーザーへの利便性」を重要視しているプレミアムなモールなので、店舗イメージが上がることは間違いありません。

PayPayモールとYahoo!ショッピングの比較

PayPayモールのメリットや基本情報はお伝えしてきましたので、Yahoo!ショッピングとの違いを確認しておきましょう。

一番大きな違いとしては、メリットでも紹介した「出店数の違い」です。

その他の違いとして紹介したいのは2点。

・手数料が別途発生する
 
・お客様都合での返品が可能

お客様側の受けられる還元率の違いは、キャンペーン時期を除けば両モールに大きな違いはありません。

手数料が別途発生する

Yahoo!ショッピングの利用料(初期費用・月額利用料・売り上げロイヤリティ)は、基本的に無料です。お客様が商品を購入した時に発生する、ユーザーインセンティブ(PayPayボーナスまたはPayPayボーナスライト、Tポイント)は最低「2.5%」発生します。

PayPayモールは、上記に加えて「PayPayモール掲載料」として税抜き販売価格に対して3%の料率となっています。その他、キャンペーンに参加する場合には別途でPRオプション率が3%以上に変更となる場合もあります。

配送コスト等も差し引いて、利益が出せる商品が売れるかどうかが重要となってきます。

PayPayモールはお客様都合の返品が可能

Yahoo!ショッピングでは「お客様都合での返品」は不可となっています。

一方で、PayPayモールでは商品受領後14日以内に、未使用かつ未開封(ただし、試着可能な商品を除く)の場合(ただし、返品交換対象外の商品・ケースを除く)、商品代金(税込)を全額返金または同一商品 と交換することができます。

これは、お客様側からすれば大きな安心材料となります。高価な買い物でも、返品の仕組みがあるかどうかで購入に踏み出す確率は上がります。

PayPayモールは、よりお客様視点でのECサイト運用になると言えるでしょう。

PayPayモールを利用したECサイト運用は難易度が高い?

ここまで聞くと「PayPayモールへの進出はまだ早いかな?」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、PayPayモールは「販売手数料がかかる」だけで、月額の定額費用は発生しません。

ECサイト運用は物を売れる状態まで持っていく開店準備に大きな労力を使います。いつでも売り出せる状態に、まずはしてしまいましょう。

また最初は「売上をつくる目的」ではなく、「認知度を上げる・ブランディング目的」を優先することをオススメします。

PayPayモールに出店するだけでも、選ばれた企業という位置づけになります。

複数モールを運用する必要性

今は自社サイトで手一杯という方も、大型モールを利用したECサイト運用の重要性は説明不要かと思います。

お客様は特定のECモールだけではなく、価格や在庫状況によって様々なECモールを利用するようになりました。

各ECモールが開催するセールにも特徴があるので、期間によって利用モールを変えるお客様も多いでしょう。

今後は、ECの多店舗経営がより重要になるということです。

まとめ

今回はPayPayモールの出店メリットや、Yahoo!ショッピングとの違いをご説明しました。

重要なことは、ECサイト運用の担当者は常にアンテナを貼って様々なチャネルに対応できるようにすることです。

すでに手一杯だという方のために、弊社・ベイクロスマーケティングではECモールの店長代行を承っております。

複数のECサイト運用に挑戦したいEC担当者の方にとって、人手不足は最重要課題。

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